さいきん読んだ

いしいしんじのキューバ日記
犬が星見た武田百合子
武田百合子と夫・泰淳と泰淳の親友の竹内好のロシア紀行。
武田百合子のすごいところはあったことをそのまま、感じたことをそのまま書けるところと、無知を恥じないところだと思う。これが日記だったとしても、少し文章を書き始めれば、「書く」ことに色がついてうまく書こうとするものだと思うが、その嫌らしさが感じられない。わからないことはわからない。私は、こう思った、という潔さがすごい。
この旅行のほんの数年後、泰淳さんと竹内さんはこの世を去る。
あとがきにある、2人のことを思い浮かべた後の、「私だけ、いつ、途中下車したのだろう。」という言葉が、切ない。
キューバ日記」 いしいしんじ
ああ、いきたいなー旅行に!